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コスト考慮、総合診療医は得意◆三重大学Vol.3

スペシャル企画 2015年9月5日 (土)  聞き手・まとめ:池田宏之(m3.com編集部)

三重大学大学院医学研究科家庭医療学講座では、研究を重視した人材育成をはじめとして、医学部1年生からの総合診療医の育成に努めてきた。全国初の地域医療講座を設置するなど、日本における総合診療教育をけん引してきた竹村洋典教授に、社会保障費の削減圧力が強い中での総合診療医の意義や役割を中心に、今後や大学の役割などについて聞いた(2015年7月16、17日にインタビュー)。 ――総合診療は日本に必要ですか。入退院まで考慮しながら、専門医が診療できるようになれば良いとも考えられませんか。 医療に際限なく財源を使って、三重のへき地にまで、専門医が配置できる時代が来るなら良いと思いますが、まずありえないでしょう。さらに専門医ばかりだと、疾患ごとに、別の医師にかからざるをえません。それを考えると、ある程度まで、1人で見られる総合診療医がいたほうがよいと思います。また、行政の観点からすると、多くの専門医の配置より、総合診療医を配置したほうが、コストが抑えられます。 今までの日本の医療は、コストよりも、良い医療の提供を重視してきました。ただ、最近では、「お金がないから高い薬は遠慮する」という消費者的な感覚に...