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緩和ケアにおいて薬剤師さんに望むこと

オピニオン 2015年9月4日 (金)  高宮有介(昭和大学医学部 医学教育推進室)

私が緩和ケアを目指した理由 私は医学生時代から、何科に進むべきか迷いながらも、「心と体の両方を支えることができる医師になりたい」という思いだけは強く胸に抱いていました。 そう思うきっかけとなったのは、小学生の頃から続けていた剣道です。剣道を通して、肉体的な瞬発力や腕力だけでなく、自分の心の在り様が自身の体に影響することを身をもって体験してきたからです。そして、「心が体に作用する」というのは、患者さんも同じではないかと考えました。患者さんと向き合った時、心のケアを通して信頼関係を構築することで、治療の結果が変わるかもしれない、または治療の結果が同じだとしても患者さんの満足度が違うのではないか、たとえ死に至ったとしても患者さんの満足感が違うのではないか、と思ったのです。これは、薬剤師としても同じ考え方ができるのではないでしょうか。 私が医師になった1985年当時は「緩和ケア」という分野がまだなかったのですが、何はともあれ身体の勉強は必要と思い、外科医の道を選びました。私が担当した多くはがんの患者さんでしたが、自分がメスを入れた患者さんは再発や転移をしても同じ外科医が診る、最後の看取りまです...