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個別化医療のコスト考慮を求める意見も、製薬協セミナー

レポート 2015年9月5日 (土)  池田宏之(m3.com編集部)

日本製薬工業会は9月3日、「日本経済再生に向けたイノベーションの創出」と題するセミナーを開いた。パネルディスカッションの中では、日本の研究者が創薬に前向きでない点が指摘されたほか、ゲノム医療の進展に向けて、国民皆保険制度を背景にしたデータベースの整備を求める声が出た。個別化医療については、実用化に向けてコストなどの現実問題を考慮するように求める意見もあった。 「創薬のインセンティブない」 日本において弱いとされる創薬の導き方が1つのテーマとなった。日本医療研究開発機構(AMED)執行役の菱山豊氏は、現状において企業にとってはメリットがあるものの、「大学にとって飯のタネとなっていない。AMEDとしても全国の大学に支援はできないので、どう強弱を付けるかが課題」とした。製薬協会長の多田正世氏は、AMEDに対して、日本においてシーズとなり得るベンチャー企業の立ち上げ支援や紹介に期待を示し、菱山氏も前向きな考えを示した。 九州大学大学院薬学研究院教授の米満吉和氏は、大学の研究者が創薬における市場規模などを実感する必要に言及した上で、「研究者が創薬に向けて踏み出さないのが問題では」とした。その原因...