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センター事故報告、「義務」ではなく「権利」-上野道雄・福岡県医師会副会長に聞く◆Vol.3

インタビュー 2015年9月24日 (木)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――改めてお聞きしますが、10月から始まる医療事故調査制度の目的は何だとお考えですか。医療法には、医療安全が目的であると明記されています。 「日医委員会の第2次中間答申に込めた一番の思いは、外部委員が事故調査委員会の委員長を務めること」(上野道雄氏) 先ほども言いましたが、遺族と当該医療者の疑問に答えることです。「想定外」の事態が起きた時、皆が傷つく。遺族は、「誤診されたのではないか」「間違った治療をされたのではないか」と思う。不信を持つ人は、実際に訴訟等に至る何倍もあるでしょう。医療不信を抱くと、将来病気をした時、安心して医療機関を受診できない。医療に不信を持っていたら、病の痛みは増強する。医療不信をなくしたいと思うのです。 日医医療安全対策委員会の第2次中間答申、「医療事故調査制度における医師会の役割についてII」では、院内事故調査の基本的な視点として、(1)当該医療機関と外部の委員が協力して客観的に原因を明らかにするように努める、(2)原因と結果が一見、明らかな事例においても、即断することなく、事例の背景を幅広く収集し、審議を尽くすことが、遺族や関係者の疑問に答え、事故防止策を導...