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「“事故調”開始迫るも、院内体制整わず」

レポート 2015年9月14日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

札幌市で開かれた第57回全日本病院学会で9月13日、「院内事故調査制度について」をテーマにした企画で、全日病「医療の質向上委員会」委員長で、練馬総合病院(東京都練馬区)院長の飯田修平氏は、「まだ理解が不十分で、制度について間違って理解していることもある。院内の体制も整っていない」と述べ、この10月からスタートする医療事故調査制度について、各医療機関の準備が遅れていることに懸念を呈した。 「医療の質向上委員会」委員長の飯田修平氏 飯田氏が、制度について理解が不十分だとした一つは、医療事故調査制度の趣旨。目的はあくまで医療安全であるとし、「患者への説明責任、医療者の責任追及とは切り離して考えるべき」と強調した。また医療事故調査制度において、医療事故調査・支援センターに報告するのは、「医療に起因した、予期しない死亡等」と規定されるが、それに該当しない事例であっても、「医療事故影響レベル」の「3b」(一過性であっても、高度な障害が生じた事故)以上に相当するケースについては、医療安全対策を講じることは、2004年の第5次医療法改正で定められた義務であることも念を押した。 さらに医療事故調査制度の...