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「病院の品質」から「地域の品質」を見る時代に

レポート 2015年9月14日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

9月13日に札幌市で開催された第57回全日本病院学会で、全日病の「病院のあり方委員会」の企画として、最近の病院経営環境について、ICT、産業としての医療、医療提供体制という視点から、3人の演者が講演した。共通していたのは、「地域」を念頭に置いた経営の重要性だ。 3人の演者とは、全日病常任理事で、社会医療法人高橋病院(北海道函館市)理事長の高橋肇氏、全日病副会長で、社会医療法人董仙会恵寿総合病院(石川県七尾市)理事長の神野正博氏、東邦大学医学部社会医学講座教授の長谷川友紀氏。 ICTをテーマに講演した高橋氏は、「少子高齢化の中で、働き方改革が必要になる。ITをITと意識しない若い世代に業務を合わせていく柔軟性が必要」と経営者の意識改革を促しつつ、さまざまな制度改革論議において、「“地域”という言葉が枕言葉として出てくる」ことから、院内業務に限らず、地域での情報共有への広がりという視点から講演。 「産業としての医療」をテーマに講演したのは、神野氏。医療産業は、国際展開ではなく、地域展開の方が、今後の成長が期待できるとした。ただし、「都会型」と「地方型」では、構築すべき「地域包括ケア」体制が...