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赤字の慶應病院の黒字化に成功◆Vol.22

スペシャル企画 2015年9月22日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

――1999年から慶應大学病院の病院長に就任、さまざまな業務改革を実施した。 病院長になってまず始めた一つが、診療前採血です。慶應病院の外来は、患者さんが多い。多い時で当時、1日当たり約5500人に上っていました。医師に診てもらって採血して、血液検査の結果が出る頃に再び受診してもらうのは、患者さんに気の毒。それで、診療前に採血をして、その結果がすぐ出るようにして、診療に役立つようにした。「業務の手順が変わって、大変だ」とか言われ、随分抵抗も受けましたが、実施に踏み切った。検査室が内科外来の近くにあったので、まず内科から始め、徐々に広げていきました。 そのほか、遺伝相談外来など、新しい部門も立ち上げています。医療事故対応の在り方も見直しました。事故が起きると、診療部長会議で伝える。診療部長は大抵が教授ですが、末端まで伝わらないことがあった。それで医局長会議で説明するようにしましたが、それでもやはり一般の医局員には完全には伝わらない。そのため、講師クラスを、外来と病棟のそれぞれに、それもリスクマネジャーではなく、セーフティーマネジャーとして置くようにした。情報伝達を円滑にするだけでなく、事...