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今こそ伝えたい薬剤師のためのリーダー論

オピニオン 2015年9月16日 (水)  富澤崇(薬学博士)

皆さんこんにちは。城西国際大学の富澤です。薬剤師業界における「リーダー」について5回に渡ってお話しするこの連載。第3回は「リーダーが行うべき意思決定と行動」について日常的な場面を通して考えていきます。 ※ここでのリーダーは薬局長クラス、すなわち現場のリーダーとして論じます。 シチュエーションで考えるリーダーとしての選択 あなたは、とあるチェーン薬局の薬局長だ。 ある日の午後、再来局の患者さんの大きな声が薬局内に響いた。 「え、また薬ないの? この前も在庫切れだったわよね」 「申し訳ありません。店舗に薬が届き次第ご自宅までお届けいたします」 投薬している薬剤師が平謝りし、患者を店舗の外まで見送った。 すると、薬剤師が声を荒げてあなたに訴えてきた。 「この患者さんの在庫切れは2度目です。在庫量に余裕を持たせられないんですか? 患者さんにこれ以上迷惑かけられないし、信用を失いますよ」 スタッフの訴えはもっともなだけに、あなたは頭が痛い。しかも、たった今、本部から社内イントラネットで「コスト削減のために在庫調整を厳密に行い、廃棄医薬品の削減を」と通達が来たところだ。先週のエリア会議でも、エリア...