中学校、半分近く登校せず◆Vol.2

――岸本氏は、1939年5月7日、大阪・河内の富田林で生まれた。 活発だった子供時代（提供：岸本氏） 小学校の時は、体は一番大きく、運動会でもよう走って一番。勉強もようできた。ところが、中学1年生の夏ぐらいから、昼夜を問わず、不整脈が起きるようになった。今から考えたら、多分ストレスか、何か精神的なもの。阪大病院の医者に診てもらっても、「どこも、悪うない」と。 結局、原因は分からなかった。けれど、「心臓が止まるんちゃうか」と思ったから、運動も何もしなくなり、不眠にもなった。ちょうど発達時期なのに、運動をしなくなったため、成長も止まった。風邪も引きやすくなり、学校に行くのが嫌になるという、負のスパイラルに陥った。中学校には、半分近く行っていない。今だったら、卒業できなかったと思う。 ただ、よかったことが一つ。小さい頃から本は好きで、学校を休んだ時は1日中、家でごろごろして、本ばかり読んでいた。だから今でも、本を読むのは早い。これは、学校を休んでいた成果や。片っぱしから、いろんなジャンルの本を読んだけど、『三銃士』や『巌窟王』などは、印象に残っている。夏目漱石や志賀直哉も好きだった。 日本語...