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『白い巨塔』の時代、阪大に在籍◆Vol.4

スペシャル企画 2015年10月7日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

――山崎豊子氏の小説、『白い巨塔』は、阪大病院がモデルとされる。小説が雑誌に連載されたのは、1963年から1965年まで。岸本氏が、山村雄一教授の阪大第三内科に入局したのは、ちょうど1965年だ。 当時はまだインターン制度があり、大学卒業後、1年間は阪大病院でインターンをやった。とはいえ、医師免許取得前のインターン生には、あまり仕事はなかった。そこで将来、アメリカで医師として研修できるよう「ECFMG」という試験を受験、『ハリソン内科学』も原著で精読した。 その後、1965年に入局したのは山村先生の第三内科。すぐに理学部に行き、研究。そしてまた第三内科に戻り、臨床と研究の日々が続いた。僕が医師になった頃は、まさに『白い巨塔』の世界。けれど、序列が強い世界に、「そんなもん、あほらしい」と僕は思っていた。 その僕を守ってくれたのが、山村先生。「上の人は、どうでもええで」「蹴散らかせ」と。「そやけど、下は大事にせなあかんで」って、先生が言われていたのを覚えている。 山村先生とどこかに一緒に行く時、横でさっと鞄を持って、ばっと扉を開ける医者がいた。僕はそんなこと、思いも付かないから、「すんまへ...