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「金曜日は、Kishimotoの回診」◆Vol.9

スペシャル企画 2015年10月16日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

――研究や臨床の原点は、「なぜ」と問いかけることにあるという。岸本氏は、医学生の講義でもそれを実践した。その講義内容は、『なぜかと問いかける内科学』(中山書店)として上梓された。 第三内科の教授だから、講義内容は内科全般。けれど、やはり専門の免疫関係の講義は楽しかった。例えば、潰瘍性大腸炎。直腸の辺りから、地図状に炎症が起こり上皮がめくれていく。しかし、結腸のところまで来ても、絶対に小腸には進まない。そこでぱっと、止まり、良くなったり、悪くなったり……。その理屈はいまだに分からんのです。同じ炎症性腸疾患でも、クローン病は小腸に主に起きる。 今、潰瘍性大腸炎で、注目を集めているのは腸内細菌。いろいろな細菌があり、そのバランスが崩れることにより、病気になるという説がある。健康な人の便から取った腸内細菌をカテーテルを使い飲ませると、潰瘍性大腸炎の何割かが治るという報告も出ている。ゲップが出たら、どうなるかと思うけど(笑)。また、腸や皮膚には、多くの常在細菌がいて、非常に重要な役割を果たしている。その中に、一つではなく、恐らく複数大事な細菌がいる。そんなことを聞いたら、「面白い」「なぜ?」「勉...