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「愛 信 恕」、恩師の言葉が座右の銘◆Vol.18

スペシャル企画 2015年10月31日 (土)  橋本佳子(m3.com編集長)

――岸本氏は76歳の今でも、現役の研究者。50年以上にわたる研究生活の中で、最も充実感、脂が乗っていた時期はいつなのだろうか。 「僕は今でも弟子と競争している」(写真:近藤宏樹) 学問的には、1980年代後半から、1990年代の前半の10年くらいかな。IL-6やその受容体の発見から始まり、免疫系疾患とのつながりが次々と分かってきた。今だったら、あれだけ短時間に、次々と成果を出せないでしょうな。当時は、IL-6に関しては、「Kishimoto's armyには勝てない」と言われており、誰もIL-6に手を出さなかった。 朝は早かった。皆、研究室の人は言う。「9時過ぎに出てきたら、『どっか体の調子が悪いんか』と言われた。10時過ぎに出てきたら、『親、死んだか』と……」。日中も、2、3時間おきに、皆のところを回って、「どないなった?」と聞いていた(笑)。ノックアウトマウスを使った実験も結構していたけど、そのマウスがなかなか作れないと、「お前をノックアウトしてやる」「出ていけ」とも言っていた。今だったら、パワハラで懲戒免職や(笑)。 当時は、大学だけでなく、企業も、土曜日も休みでないのが一般的。...