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麻酔科医の過労裁判、東京高裁で和解

レポート 2015年10月9日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

約200床の民間病院に勤務する麻酔科医が、脳出血を来して遷延性意識障害となり、勤務先の病院を安全配慮義務違反で訴えていた東京高裁の裁判で、10月1日、和解が成立した。 今回の和解は、「和解の経過や内容について公表しない」ことが条件であるため、その内容は明らかではないが、同医師とその家族を支援していた、全国医師ユニオン代表の植山直人氏らが呼びかけ人として発足した「麻酔科医師労災支援の会」では、「高裁で過重労働を原因とする労災であることを認めさせるという完全勝利ではないが、和解が成立したために、医療現場の常識とかけ離れた地裁の判決は確定判決ではなくなった」とのコメントを公表している(同会のホームページを参照)。 麻酔科医の家族は、「麻酔科の先生方をはじめ、他の診療科の医師の皆様、医療関係の皆様、過労死家族の会の皆様、大勢の方々の支援の賜物と、心から感謝している」とのコメントを公表している。 麻酔科医は、約200床の民間病院で常勤医1人体制で勤務しており、2007年8月に脳出血を発症し、遷延性意識障害となった。当時は53歳で、現在も寝たきりの状況が続いている(『全80大学の麻酔科教授に訴訟支...