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地方の病院でもフルマッチ達成- 石井洋介氏◆Vol.2

レポート 2015年10月19日 (月)  成相通子(m3.com編集部)

潰瘍性大腸炎から人工肛門になった自分を救ってくれた医師に感動し、外科医を目指した石井洋介氏(『偏差値30から医学部、“うんコレ”立ち上げ - 石井洋介氏◆Vol.1』を参照)。2004年に高知大学医学部を卒業した後、自身が手術を受けた横浜市民病院で研修したいと思っていたものの、このまま高知県を出ていいのかと逡巡し、選んだのが高知市内の近森病院での臨床研修だった。 高知医療再生機構の石井洋介医師(日本うんこ学会会長) 石井氏がいた2年間、近森病院の研修医は石井氏を入れて4人のみ。救急救命医療やチーム医療などに力を入れる同病院では、自分が当直中に受け入れた患者は、診療科に関係なく担当する。救急搬送も多く、ハードな勤務状況だった。一方で、研修医が多く、症例の取り合いになる都会の病院よりも、豊富な症例を学べると石井氏は考えた。 高齢化率が全国で1位か2位を争う高知県。2004年は医師臨床研修マッチング初年度だった上、全国的にも若手医師が都会に流出し、医師不足から「医療崩壊」が叫ばれ始めたころだった。医師不足で過剰労働となり、心や身体を病む先輩医師や、県内での将来を悲観して研修医が都会の病院を選...