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緩和ケアにおいて薬剤師さんに望むこと

オピニオン 2015年10月19日 (月)  高宮有介(昭和大学医学部 医学教育推進室)

緩和ケアは早期からのアプローチも強調されていますが、どうしても避けて通ることが出来ない臨終時、死への対応も重要です。患者さんの死を目の前にすると、私たちの心も乱れます。私たちの死生観も問われているのです。大学の講義で学生に「人間の死亡率は?」と尋ねると皆一様に答えに窮します。そこで「100%です」と伝えると「なーんだ」と納得した顔をするのですが、「死」について普段私たちがどれだけ意識していないかよく分かります。今回は、患者さんが遺した手紙や日記を通じ、薬剤師として、人として、自分自身の死生観を振り返るきっかけにしていただければと思います。 死を目前にした患者さんから、死と向き合うことの大切さを教わった 北京オリンピックに出場するはずだったバレーボール選手、横山友美佳さんをご存じでしょうか。現在、活躍している木村沙織さんは同じ高校の親友。1987年生まれの横山さんは春高バレーのヒロインでもあり、18歳を迎えた年に日本代表に選出されました。しかし同年、横紋筋肉腫が判明し、抗がん剤治療を開始したのです。そんな彼女は生前、こんな言葉を残しています。 「病気になって一番考えたことはやはり命の尊さ...