1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 福島県が「誤報」認め謝罪、双葉病院事件

福島県が「誤報」認め謝罪、双葉病院事件

レポート 2015年10月23日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

双葉病院(福島県大熊町)が、2011年3月の東日本大震災後の患者避難について、福島県が誤った記者発表をしたとして提訴していた裁判で、10月23日、福島地裁で和解が成立した。福島県が、「事実に反する記者発表をしたことは、行政として著しく適切さを欠く」と認めた謝罪文を、県のホームページに2015年10月30日から1年間、掲載するという内容だ。 和解後、双葉病院を経営する医療法人博文会理事長の鈴木市郎氏は、県の記者発表によって、「双葉病院の信用は地に落ちた」と改めて問題視した上で、「誤った広報から4年以上が経過しており、遅すぎた感は否めないところだが、最後になって県が裁判所の勧告を受け入れたことは評価したいと思う」とのコメントを発表した。 双葉病院(350床)は、福島第一原発から約4.5kmの場所にある精神病院(『毀損された双葉病院の名誉、いまだ回復せず』などを参照)。博文会はその近隣で介護老人保健施設も経営していた。東日本大震災に伴う原発事故で、双葉病院だけで338人、老健施設の入所者合わせて400人を超す緊急避難を余儀なくされた。しかし、県や自衛隊などの対応の遅れから、患者避難が遅れた上...