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旧制三高の古き良き教養教育とフランス映画◆Vol.4

スペシャル企画 2015年11月4日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

――1947年4月、京都にある旧制の第三高等学校に入学、親元を離れ、下宿生活が始まった。 入学試験の日に、入寮希望者の受付を行っていたのですが、私は合格できるとは思っていなかったので、希望を出していませんでした。それで、知り合いのつてをたどって下宿して、4月から三高の生活を始めました。 「旧制高校の良さは教養教育」(写真:近藤宏樹) 「三高祭」に参加したり、野球やボートの試合の応援には行きましたが、サークル活動などはしていませんでした。三高には優秀な同級生がたくさんいたので、今から考えると残念でしたね。一つには、子供時代から、どちらかと言えば、内気で引っ込み思案で、人前に出るのがあまり好きではない性格だったからです。三高の合格が分かった後、旧制高校の「白線帽」を買ったのですが、それを被るのが恥ずかしかったくらい。思春期で不安定だったのか、不眠にも悩まされました。 もう一つには、食料が非常に厳しい時代でしたから、週末のたびに家へ帰らないと食べ物に困るという事情もありました。1年生の6月のある朝、学校に行ったら、食堂の前の立て看板に、「本日で食事はなくなりました」と張り出しがあった(笑)。...