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京大時代は「講義、弓道と茶道」◆Vol.5

スペシャル企画 2015年11月5日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

――1950年、旧制三高を卒業し、京都大学医学部に入学する。 当時は戦争が終わって、他の学部は、旧制高校以外にも、海軍兵学校や陸軍士官学校などからも受験できたので、受験生は非常に多かった。けれども、医学部は旧制高校以外からは受験できなかったので、それほど倍率は高くはなかったと思います。 進学先は、初めから京都大学と決めていました。やはり京都の街が好きでしたし、将来は医療事情があまり良くなかった田舎に帰って、その地域の方々に役立つ医師になることも考えていたからです。 京大時代は、知恩寺で裏千家の茶道も習った(提供:井村氏) 旧制高校から進学したので、医学部は4年間。最初から医学部の授業が始まりました。1年目は、解剖学、生理学、生化学など。特に大変だったのが、「一番の基礎」と言われた解剖。まず「骨学」を通らないと次に行けないから、滅多に使わない骨の名前、骨にある孔や溝の名前まで全て覚えなければいけない。それも国際的な命名は、全てラテン語。独創性のある人でも潰されるような教育をしていました。 病気の診断も、私が医学生の頃は、検査法があまり進んでいなかったので、ほとんど症状から行う。これもまた...