尊敬する臨床医と出会い、内科の面白さ知る◆Vol.6
スペシャル企画
2015年11月6日 (金)
橋本佳子(m3.com編集長)
――基礎から臨床まで一通り講義を受けて、自身の進路はいつ頃決めたのだろうか。 学生時代には一時期、脳外科をやろうかと思ったこともありました。心臓外科はまだ萌芽期で、脳外科が外科系の中でも先端だったことと、脳外科教授だった荒木(千里)先生が、自身のさまざまなエピソードを交えながら、非常に洒脱な講義をされる人で面白かったからです。 当時は卒業してから1年間のインターンがあったのですが、その間にやはり内科が面白いと思うように、変わりました。もっとも、インターンは、後に廃止運動が起きたように、内容は乏しかった。卒業生の半数以上は大学に残ったのですが、当時は、戦争から引き揚げてきて、学位取得を目指す医師がたくさんいて、インターンはよほど自分で進んでやらないと、出る幕がなかった。私は将来は、地元の滋賀に帰ってもいいと思っていたので、大津赤十字病院でインターンをしました。 大津日赤に行ったのは、もう一つ理由があります。臨床家として評判が高く、インターンには厳しいことで有名だった、京大出身の小松周治先生がいたからです。京大医学部は1学年120人でしたが、うち4人が大津日赤を選びました。 大津日赤では、...
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