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米国の良さと問題、留学中に実感◆Vol.11

スペシャル企画 2015年11月11日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

――1960年代における日米の研究環境は、どのような相違があったのだろうか。 良い面と悪い面、両方がありますが、アメリカでは研究費は豊かで、設備をはじめ、研究環境が非常に整っていること、また激しいディスカッションを交わす点では非常にいいと思いました。 私の研究データも、ある程度、まとまったらカンファレンスで発表すると、いろいろ叩かれる。それを基に発表をブラッシュアップすることが可能なのです。スライドも、自分で作成するのですが、「このスライドは分かりにくいから、こうしたらどうか」と指摘される。学会発表前にも、カンファレンスで発表すると、いろいろな質問が出るので、自分の弱点、自信のない点を確認できるのです。 一方で、アメリカの医師の場合、自分の頭で考えて研究はデザインしても、実験自体を自分でやる人は少ない。テクニシャンに任せてしまうので、測定データを鵜呑みにしてしまう傾向があるのです。また生命科学の実験では、微妙な実験条件の違いが結果を左右したり、時に、「この実験、ちょっと自信ないな」などと肌で感じることもあります。自分で手を動かす際の感覚はやはり重要だと思うのです。 ただ例外もおり、ニュ...