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神戸大教授の初日、「井村は罷免した」◆Vol.14

スペシャル企画 2015年11月14日 (土)  橋本佳子(m3.com編集長)

――大学紛争の終わり頃、1971年、神戸大学の第三内科の教授に就任する。 当時、旧帝大は第一内科から第三内科までありましたが、神戸大には第一内科と第二内科しかなかった。内科領域は年々広がっている時期で、2つでは足りないということで、神戸大にも第三内科ができた。教授を公募して、選考を始めようとしたら、大学紛争が起き、ストップしてしまった。 それで、改めて教授の公募が行われた。初めは第二内科が内分泌をやっていたので、第二内科の教授選に出てもらいたい、との話でありましたが、結局、1971年9月1日、第三内科の教授に就任しました。その初日、残暑の厳しい日でしたが、あの日の残暑の不快さだけは、一生忘れられません。 神戸大は、京大よりは紛争はひどくはなく、その頃はもう一応、収まっていると思っていたのです。ところが、9月1日、大学に行ったら、医学部の入口に、「井村は罷免した」との立て看板が立っていました。大学紛争で、約3年間教授選ができなかったので、同時期に7、8人の医学部の教授選が行われたのですが、うち4人が京大出身者で、この4人が「罷免」されたのです。それまでも京大出身の教授は多く、「助講会」と...