1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「地域医療のためにも大学のパワーは落とせず」◆Vol.3

「地域医療のためにも大学のパワーは落とせず」◆Vol.3

スペシャル企画 2015年11月11日 (水)  高橋直純(m3.com編集部)

鹿児島大学医学部離島へき地医療人育成センターの大脇哲洋教授に、地域医療における医学部の役割や地域枠学生への期待を聞いた。 ――なぜ地域枠の学生にだけ実習を行うのでしょうか。 地域枠で入学した学生には6年間で940万円の奨学金が貸与される一方、9年(臨床研修2年+実務研修1年を含む)の義務年限がある。まずは地域に慣れてもらうことが重要。1、2年生は受験が終わってだらけがちだが、住民と触れあって、初心を思い出してもらう。全ての学生が行けたら良いが、日程的にも資金的にも研修先の確保面でも難しい。夏休みは短いが、夏の良い時期に行って、こんな良いところだと思ってほしい。 ――へき地で働く医師に求められる能力はどのようなものでしょうか。 基本的には変わらないが、地域になればなるほど医師は診療だけでなく保健衛生、予防医療、行政的な事もやらなくてはいけない。災害医療の中心にもなり、都市部のかかりつけ医とは少し違う。座学ではなかなか学べないが、現場で医師や行政職員、首長から話を聞くと全然違う。 ――へき地で働くことでキャリア形成に支障が出るという声もあります。 地域でずっと働けと言っているわけではない。...