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教授回診、「3S」の方針で臨む◆Vol.18

スペシャル企画 2015年11月18日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

――研究と同時に、臨床にも熱心だった井村氏。教授回診やカンファレンスの時には、どんな点を心がけていたのか。 教授回診を形式的にしないために、回診前に新患や退院前の患者、治療がうまく行かないなど問題のある症例について、事前にカンファレンス室で十分に議論するよう心がけていました。 教授回診は、その時に気付いたことを医局員に伝えるだけでなく、薬の種類を減らすことが、一つの目的でした。処方について、いつも言っていたのは「3S」。1つは「simple」、処方はシンプルでないといけない。それから、「short duration」、一般にあまり長く薬を使わない。いったん処方を始めると、だらだらと使うことが多い。最後は、「small dose」。量が人によって違うから、まず少量で始める。回診の度に、「この薬、本当に必要なのか」と、一つ一つチェックしていました。薬は多く使うほど、副作用が出る危険性も高まるからです。 カンファレンスも、研究と臨床の両方をやっていました。カンファレンス時だけでなく、事あるごとに言っていたのは、「医学は日進月歩。忙しいと、つい自分の経験だけで診てしまうが、自分の患者さんの病気...