緩和ケアにおいて薬剤師さんに望むこと
オピニオン
2015年11月11日 (水)
高宮 有介(昭和大学医学部 医学教育推進室)
薬剤師が活躍する緩和ケア 緩和ケアの分野では、オピオイドをはじめ、NSAIDs、アセトアミノフェン、鎮痛補助薬など、薬剤の開発が進んでいます。特にオピオイドは、フェンタニル製剤の多様化やフェンタニル速放製剤の誕生に加え、タペンタドール、メサドン、トラマドールといった新薬の参入が著しい。医師や看護師も、薬剤に関する情報を当然キャッチアップしているとはいえ、やはり薬の専門家である薬剤師の役割は大きいのです。 また、緩和ケアの対象となる患者さんは高齢者が大半を占め、高血圧や糖尿病など、合併症も珍しくありません。そういう点でも、医師や看護師は、緩和ケアの薬剤と既往疾患の薬剤との相互作用の確認や、経口困難患者の服薬に関して、薬剤師のサポートを期待しているのです。 今日は医師である私が、薬剤師のサポートがあったからこそ成し得た製剤の話をしたいと思います。 あるアドバイスから生まれたオピオイド製剤 英国ホスピスで学んだモルヒネ持続皮下注入法 1988年、英国へ留学しました。北はグラスゴーやエディンバラから、南は港町プリマスまで、9ヵ所のホスピスで2週間ずつ研修をしました。 なかでも印象的だったのが「...
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