京大の3大課題の検討開始◆Vol.21
スペシャル企画
2015年11月21日 (土)
橋本佳子(m3.com編集長)
――1991年12月、京大総長に就任。医学部長の任期途中、かつ教授職から総長職に切り替えなければならず、かつマスコミにも叩かれ、当初は苦労した。 それでも総長になってから、6カ月くらい経つと、少し落ち着いてきました。内科の教授も辞めていたので、急に寂しくなりましてね。 総長室は、本部棟にあり、とても立派な部屋です。ところが、その本部棟は、医学部だけでなく他の学部からも離れている上、誰も教員はいない。事務局の職員がいるだけ。確かに事務局は非常によくやってくれましたから、言われる通りにしていれば何も問題はない。でも、それだけじゃ、つまらないでしょう。 それでまず事務局長を呼んで、「京都大学の将来構想を持ってきてくれ」と言ったら、「そんなの先生、ありましたか?」と。「だって、これだけの組織だから、将来構想くらいあるでしょう」と返し、調べてもらったのですが、情報学部を新設する構想はあったけれど、私が求めていた全学の将来構想はなかった。大学紛争で、学生対策に追われていたことが一因でしょう。 そこで事務局に依頼して職員を確保し、各学部から、将来その学部を担って立ちそうな中堅の教員を選んでもらい、「...
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