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総長の「最後のお願い」、ポケットゼミ◆Vol.22

スペシャル企画 2015年11月22日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

――4つの独立研究科の新設とともに、医学部長時代からの懸案だった、京大の附属研究所の再編にも着手する。 京大には研究所が多く、それに付随していろいろな問題があったため、研究所の再編も進めました。その一つは、研究だけでなく、大学病院本院とは別に臨床もやっていた胸部疾患研究所です。そこで、臨床系は病院に統合して、呼吸器内科・外科とし、基礎系は、他の組織と合わせ新たに再生医科学研究所を作りました。医学部で胸部疾患系の基礎をやっている教員、生体医療工学研究センターなどの教員も、この新設の研究所に集めました。この再編・統合も2年以上かかりました。 「再生医科学」という言葉は、後に神戸の理化学研究所の発生・再生科学総合研究センターの副センター長になった西川伸一君の発想。1990年代半ば、組織工学、ティッシュエンジニアリングという言葉はありましたが、「再生医科学」という言葉はまだほとんど使われていなかった。当時の京大医学部長が、文部省に説明に行ったら、「再生って、何を再生するんですか。胸部疾患研究所を再生するという意味ですか」と言われたくらいです(笑)。 再生医科学研究所というコンセプトは、ノーベル...