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総長の仕事、「抵抗との戦い」◆Vol.23

スペシャル企画 2015年11月23日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

――結局、1991年12月から、2期6年間、京大総長を務めた。やり残したことなどはあったのだろうか。 総長の6年間は、本当にあっという間でした。ちょうど私の任期の最後の1年、1997年が京大創立100年に当たり、記念事業も担当しました。 やり残したことと言えば、やはり教育の改革や、学際領域の開拓でしょうか。昔は需要が大きくても、次第に減っている学科、一方でニーズが高まっている学科もある。しかし、以前からある学科は、講座をキープしており変えることは難しい。総長が学部の中に手を入れることに対する抵抗は強かった。だから、大学院として、独立した4つの研究科を作ったわけです。その後、他の大学でも独立研究科は増えましたが、教員は学生の囲い込みをしたがる傾向があるので、独立研究科はいい学生を集めにくい傾向があります。この辺りは変えていかないといけない。 総長の仕事は、文部省の言う通りにしていたら、楽だったと思います(笑)。しかし、いざ何かをやろうとすると大変。至る所に抵抗が出てきます。また京大の総長の任期は、1期目は4年、2期目は2年で、三選はありません。2期目の時も、いったん投票するのだから、4年...