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「人口減は患者減」と警鐘、森田中医協前会長

レポート 2015年11月14日 (土)  橋本佳子(m3.com編集長)

国立社会保障・人口問題研究所所長で、この6月まで中央社会医療保険協議会会長を務めていた森田朗氏は11月11日、日本医療機能評価機構の第4回医療政策勉強会で「超高齢社会における医療制度・社会保障制度のあり方」をテーマに講演、日本の人口減少は医療需要の視点から見ればマイナス方向に働くため、「従来の診療報酬体系で医療を維持するのは、難しくなっているかもしれない」と見通し、医療分野での個人番号の活用が今後の医療を考える上で、有力なツールになり得るとの考えを示した。 森田朗氏 日本の総人口は2010年をピークに減少に転じ、安倍晋三政権が掲げる「希望出生率1.8」を実現しても、日本の人口は長期にわたり減少を続ける。「日本人人口」に限れば現在、毎年30万人弱減っている。欧州ではシリア難民が問題になっているが、ドイツが9月、その対策費用として来年度予算に追加したのは約15万人分。その約2倍の移民を受け入れて、ようやく減少分を補える状況。 「移民政策がどれだけ現実的か」。こう問いかける森田氏は、「人口減少を前提として、これからの社会を考えていかなければいけない。思い切った発想の転換が必要」と語り、人口が...