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「薬術」の創出に向けた戦略

オピニオン 2015年11月16日 (月)  高村徳人(薬学博士)

薬剤師のための技術「薬術」の普及に取り組む九州保健福祉大学教授の高村徳人先生の人気コラム第3回。「薬剤師が医療人として世間から認められるために、今すべきことは何なのか」をテーマにお送りします。 「薬術」創出のための戦術とは 前回のコラム(「薬剤師の技量を増大させるエネルギー源とは」)で薬剤師の技術進化には基礎系薬学教員(薬学部教員全体の8割以上を占め、研究能力に長けている)の協力が不可欠であると述べた。 では、私がアカデミックな世界にいる基礎系薬学教員に対して「従来の薬学を医学や看護学などの医療枠に投入し、臨床で役立つ薬学への再構築を行い、新技術(薬術)創出に向け現場の薬剤師と一緒に取り組んでください」と一生懸命お願いしたとしよう。当然、彼らは「はい、分かりました。『薬術』創出の方向に研究の舵を切ります」と二つ返事で引き受けてはくれないだろう。そもそも薬剤師自身がこれに賛成しないかもしれない。 どうすれば基礎系薬学教員と薬剤師が一丸となって「薬術」の創出に向かって邁進できるのか。そのための戦術を考えていきたい。 薬剤師自身の危機感が「薬術」創出の第一歩 ともすると人は追い詰められなけれ...