女性の包括的健康支援へのチャレンジ
オピニオン
2015年11月18日 (水)
宮原富士子(ジェンダーメディカルリサーチ代表取締役社長)
本連載では女性の健康支援に取り組む薬剤師の宮原富士子氏に「女性の健康維持に対して薬剤師ができること」についてお話していただきます。今回は、要介護・要支援になる要因の上位に挙げられる「骨折」「関節疾患(ロコモティブシンドローム)」をテーマにお送りします。 骨折、ロコモの予防が健康寿命の延伸を助ける 昨今、在宅医療や終末期医療への取り組みが進んでいます。また、10年以上に渡る多くの方々の努力により、介護制度も定着してきました。 しかし、終末期医療が掲げる「最後までじぶんらしく」というテーマとは裏腹に、平均寿命と健康寿命の差は依然縮まず、特に女性はその差が約13年間となっています(2010年の厚労省の調査によると、平均寿命は男性79.55歳、女性86.30歳、健康寿命は男性70.42歳、女性73.62歳)。 この健康寿命延伸において課題となるのが「要介護・要支援」患者数の抑制です。 要介護となる要因の上位3項目は「脳卒中」「認知症」「高齢による衰弱」。それに次ぎ、多いのが「骨折」「関節疾患(ロコモティブシンドローム。以下、ロコモ)」で、二つを合計した割合は要因の2割を占める。骨粗鬆症による骨...
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