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医学会総会会頭、「最後のご奉公」◆Vol.28

スペシャル企画 2015年11月28日 (土)  橋本佳子(m3.com編集長)

――総合科学技術会議の議員を務めた後、先端医療振興財団の理事長職を、2004年から今年6月まで10年以上にわたり、務めた。 まず先端医療推進財団の成り立ちからお話しましょう。私が1998年に神戸市立中央市民病院(現:神戸市立医療センター中央市民病院)の院長に就任した直後、科学技術会議の議員として東京に行くことが決まり、神戸市長から、「神戸医療産業都市の構想だけは作成してもらいたい」と依頼されました。そこで私は、神戸大学だけで仕切るのではなく、京都大学と大阪大学の医学部長、国立循環器病センター(現国立循環器病研究センター)の総長、さらに神戸市医師会長と私を含めた、6人の委員会を作り、議論を開始しました。 私自身はその場で、「神戸のポートアイランドには大学がない。その代わりに、臨床研究を中心にしたセンターを作り、シーズを持っている大学と、企業などが共同研究できる場を作りたい」との基本構想を話しました。先にも触れましたが、文部省の「21世紀医学・医療懇談会」の議論で、公衆衛生大学院の創設は打ち出せたものの、「二つも実現できない」と言われ、臨床研究センターの構想は盛り込めなかったのです。 神戸...