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「予想外」の人生の連続◆Vol.30

スペシャル企画 2015年11月30日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

――井村氏の妻は、耳鼻咽喉科医。結婚したのは1959年だ。 大津赤十字病院に勤務している時代、私の中学校時代の同級生が、微熱が出るからということで、受診してきたことがあります。彼は京大を出て製薬会社に勤めていたのですが、かつて結核性の胸膜炎にかかった既往があり、心配して来たのです。 いろいろ調べたのですが、問題はなく、安心して帰りました。しばらくしたら、「一度、食事に来ないか」と誘いの手紙が来た。私は病院の食事を食べているだけでしたから、「ご馳走を食べさせてくれるなら」と返事をしたところ、さらに手紙が来て、「うちの隣に、京都府立医大の5年生の女性がいるのだけど、会わないか」と。それで彼の家で、食事をしたのが始まりです。家内は3つ下で、まだ学生だったので、しばらく付き合い、卒業した時、1959年に結婚したのです。 「1日長く生きれば、1日分だけ前に進める」というのが、井村氏の信条だという(写真:近藤宏樹) ――84歳の今でも、財団など30以上の団体の仕事に関わる井村氏。研究、教育など、さまざまな立場に置かれても、常に問題意識を持ち、改革に取り組んできた井村氏。その原動力はどこにあるのだろ...