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“近藤理論”、20年以上前に問題視◆Vol.3

スペシャル企画 2015年12月3日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

――「がん検診、百害あって一利なし」と主張し、がんの検診や積極的に治療に対し否定的な近藤誠氏。久道氏は、20年ほど前の時点で、既に近藤氏の言論に対し、異議を唱えていた。 近藤先生が、『文藝春秋』に「がん検診、百害あって一利なし」という文章を掲載したのは、1992年。 「近藤理論」に20年前から異論を唱えた(写真:伊藤有宏) 私は、腹が立って、これはちゃんと反論しなければと思い、かなり長文の反論を書いて、『文藝春秋』に送ったのです。そうしたら、編集長からファクスが入りまして、「先生の論文は生硬いので……」という返事。「生硬い」ので本誌には向かない、という意味の内容が書かれていました。要するに、掲載できないということ。「そうか。文藝春秋は、要するに面白おかしく書いて、売れればいいと考えているんだな」と、また腹が立った。 簡単に言えば、早期がんと言っているようなものは、「がんもどき」だから、進行がんにはならない。最初から進行がんで見付かれば、もう手遅れなので手術する必要はない、何もするな、というのが彼の理論。確かに「がんもどき」と言っていいものもありますが、本物のがんか「がんもどき」かどうか...