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在宅医療×EBMのケーススタディ

オピニオン 2015年11月30日 (月)  桑原秀徳(病院薬剤師)

在宅医療にエビデンスを活かす――。一見、ハードルが高そうに思えますがそんなことはありません。何より、エビデンスを活用することで薬剤師はもっと確信を持って主体的に在宅に取り組めるはずです。 本連載では、病院薬剤師として在宅医療に携わる桑原秀徳氏に、在宅におけるエビデンスの活用法についてうかがいます。 「エビデンスを適用する」とは 前回の記事では、後半で「エビデンスを適用する」ということに触れました。たとえ統計学的に精巧で、妥当性に優れた大規模臨床試験だとしても、それはあくまで一定の条件下で被験者を集めて行った実験であり、いわば仮想現実での現象を観察しているに過ぎません。それと「現実」に、どのような相異があるのかを見極めて、どのように実践するか考え、行動することがエビデンスの適用です。 これを理解していれば、在宅のような比較的個別性の高い現場でも、適用できるエビデンスがたくさん存在することも何となく分かるでしょう。ですから、論文や総説の内容を鵜呑みにすることも、反対に、内容の吟味もせずに現場の役に立たないと決め付けることも、どちらも間違っているといえます。 今回は在宅にエビデンスを適用する...