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診療報酬は凋落の一途

オピニオン 2015年12月1日 (火)  桑島政臣(神奈川県保険医協会政策部長)

11月24日、財政制度等審議会は次年度診療報酬本体のマイナス改定を建議した。医師・看護師給与や診療報酬本体のみを切り分けたグラフで、物価・賃金と比較し「高止まり」との印象づける巧妙な作為を図っての話である。6年前にも同様の議論の歪曲、不公正な資料、情報操作の「手口」が使われており笑止千万である。事実は、診療報酬の極端な凋落である。われわれは改めて診療報酬のプラス改定を強く求める。 ◆医療提供の対価が診療報酬 凋落の一途は歴然 医師収入に矮小化する繰り返されるウソ 皆保険下での医療提供の対価が診療報酬である。医師、歯科医師や看護師、歯科衛生士、OT・PT、栄養士などコ・メディカルの「技術」や「労働」と、医薬品、医療材料、衛生材料の「モノ」を、点数表は本体と薬価で分離評価しているが、医療機関の提供する医療は、「技術」「労働」「モノ」が一体的である。ゆえに医療機関経営の原資である対価の診療報酬は一体的に論じられる必要がある。医療経済実態調査も同一視点である。 巷の理解と異なり「本体」ではCTや超音波検査や血液検査、手術など、技術とモノが混然一体で評価されているものが数多くある。分離評価される...