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早期がん、かえって長生き?◆Vol.14

スペシャル企画 2015年12月14日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

――生存率については、「胃がんに早期にかかった人は、それ以外の人と比べて10年後はかえって長生きする」というデータを出したこともある。 生存率には、実測生存率と相対生存率があり、実測生存率は、100人の胃がんの患者さんが例えば5年後どのくらい生きているかを見る。100人のうち80人生きてれば実測生存率は80%。ところが、胃がんの罹患にかかわらず、100人という集団を見た場合、5年後に生きているのは、90人ぐらいかもしれない。これが期待生存率。実測生存率を期待生存率で割ると、相対生存率が出ます。 早期胃がんの中には、「mがん」や「smがん」があり、粘膜内の「mがん」が、早期胃がんの中でも一番早期。「mがん」の10年相対生存率を見ると、面白いことに、「104%」という結果になったのです。 それは、「一病息災」、例えば胃の手術した人は、食事をはじめ、健康に気を付ける。その結果、心臓病なども起きにくくなる。一般向けの講演では、「ぜひ、皆さん胃がんにかかってください。その代わり早期に見付けてもらってください。そうすれば、ほかの人より長生きしますよ」と、よく言っています。 ――がん検診の評価は、死...