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「要精検」のフィルム、若手ほど多く◆Vol.15

スペシャル企画 2015年12月15日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

――いくら検査技術が進歩しても、読影は医師が行う。その精度の分析や向上にも取り組んだ。 検診の場合、一度にたくさんのフィルムを読影しますから、目が疲労してくる。その疲労度と診断能力について分析したこともあります。 読影フィルム1缶に、50人、多いとき70人分くらい入っていた。当時は、1人6枚撮影。だから1缶に最低300枚は入っています。それが1人2缶以上、600枚以上を1日で読影していたので、疲れるのは当たり前です。 その疲労の影響を探るために、読影する先生方には、内緒にしておき、担当の事務に、1缶目と2~5缶目のそれぞれの要精検率をチェックして、データを出してもらった。複数の先生について調べてもらったのですが、どの先生も、要精検率は1缶目の方が2缶目よりも、2缶目の方が3缶目よりもそれぞれ高かった。缶にはランダムにフィルムを入れているので、本来なら差はないはずです。要精検率が下がってくるのは、まさしく疲労しているということ。この結果は、「シングル読影は駄目だから、ダブルチェックをする」という根拠にもなります。 さらに、ダブルチェックの場合の経験年数の相違についても分析したところ、初心...