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東北大教授、助教授の経験なく就任◆Vol.16

スペシャル企画 2015年12月16日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

――1981年、東北大学の公衆衛生学教室の3代目の教授に就任する。助手、講師、助教授の経験がない久道氏。どんな経緯で選ばれたのだろか。 教授就任は予想外の出来事だった(写真:伊藤有宏) 教授に就任したのは、1981年、42歳の時。東北大学の公衆衛生学教室の2代目の教授、鈴木継美先生は、東大のご出身で、その前年の1980年に東大に戻られてしまい、教授のポストに空きが出てしまった。当時の東北大学の教授選考は、公募で「なりたい人」を募るのではなく、「なってほしい人」を探す方法でした。 教授選考委員が7人いて、その先生方が、全国の大学などから、100人くらいリストアップして、まず30人くらいに絞る。そこから本格的な選考が始まります。 公衆衛生学教室の初代教授の瀬木三雄先生の時代は、がんの疫学をやっていた。しかし、鈴木先生の時代は、水銀中毒や人類生態学など、衛生学に近いことをやっていました。 もっとも、私は大学から離れており、分野の違いもあって、私は全く教授選考には関心がなかったのです。 ところが、教授就任の約1年前に、「お前、リストに入っているぞ」と聞かされた。でも、「どうせ、当て馬でしょう」...