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「所長」の経験、教授職に生きる◆Vol.19

スペシャル企画 2015年12月19日 (土)  橋本佳子(m3.com編集長)

――教授就任前までの9年間、宮城県がん検診センター所長を経験したことが、教授という仕事に非常に生きたという。 私は助教授の経験もなく、大学教授らしからぬ経歴。しかも、教授になったのは42歳。教授会に出ても最初は一番若く、先輩の教授からは、「2~3年は、何もしゃべるな」と言われ、最初はおとなしくしていました。毎年4~5人退官しては、新しい教授が入る。教授会は、教授になった順に座っていたので、座る椅子も徐々に上座に移る。それに伴い、時々発言するようになっていきました。 しかし、教授会は、臨床や研究そのものではなく、ガバナンスの在り方を議論する場。私から見ると、議論の進め方やガバナンスが、下手に映りました。9年間のがん検診センター所長時代、多くの職員を束ね、運営しなければならなかった上、宮城県対がん協会の理事も務めており、行政、医師会、議員など、さまざまな人と議論し合う経験がありました。私はこの9年間で、ガバナンスの基礎が培われたと思っています。 教授になって1年くらいした後、当時の医学部長だった石田名香雄先生に呼ばれて、突然、「この星陵地区の改革、将来構想をまとめて、今年の暮れまでに届けろ...