オーストラリアの薬局解体新書~日本の保険薬局の今後を考える~
オピニオン
2015年12月9日 (水)
藤田健二
創薬研究員、薬局薬剤師、学習支援・薬局研究部門のマネジャーを経て、シドニー大学大学院で薬学博士号の取得を目指す藤田健二先生に、オーストラリアの医療制度および薬局実務を読み解きながら、今後の日本の薬局のあり方について考察していただく本連載。第1回は、「オーストラリアの薬局事情を知る意義」についてお話しいただきます。 はじめに 65歳以上の高齢者が総人口に占める割合は2013年時点で25.0%となり、世界に先駆けて超高齢社会に突入した日本。さらに、医療技術の高度化も相まって、2014年度の医療費はついに40兆円を突破しました。このような中、国民皆保険制度を維持しつつ逼迫した財政の健全化を実現するため、薬剤師は多職種と連携しながら今まで以上に職能を発揮することが求められています。しかしながら、現在の医薬分業のあり方に対する国民からの批判も少なからず存在することも事実であり、健康情報拠点としての保険薬局(以後、薬局)が果たすべき機能についての議論は、今もなお各地で行われています。 こうした議論を発展的に展開していくためには、諸外国における薬局の機能やサービスの実態を把握することが極めて有益であ...
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