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医療事故調査は「症例検討」◆Vol.2

スペシャル企画 2015年12月13日 (日)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――制度への現場の「戸惑い」、あるいは負担増といった指摘がありましたが、がん研有明病院で、医療安全を担当されているお立場から、長田先生はいかがでしょうか。 がん研有明病院の長田理氏。 長田 自己紹介をかねて、お話させていただきます。私は麻酔科医、つまり病気を直接治す医師ではなく、「患者さんの安全を保ち、全身状態を管理する医師」です。医師になった時から、患者さんを安全という視点から見ており、外科医が「手術をしたい」と提案した場合でも、麻酔科医として、「この状態で手術するのは、危険です」と指摘してきた立場です。3年前に今の病院に異動した際に、病院全体の医療安全に携わるようになりました。 今回の制度については、法律、政省令、通知を勉強し、「大綱案」のような仕組みではなく、「二度と事故を起こさないように医療従事者が勉強しよう」という趣旨であると理解しています。これは非常にうれしいことであり、今まで私たちが「症例検討」を行い、学会などで発表していたことを、「国としてきちんとやりなさい」と指示を出された、と考えるようになりました。 症例検討では、「このような事例があった時に、このように対応した。だ...