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「院内死亡を全例把握」は大きな成果◆Vol.5

スペシャル企画 2015年12月21日 (月)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――医療事故調査制度では、遺族への説明の在り方も問題になります。医療安全が目的であって、ご遺族への説明責任を果たすための制度ではありませんが、一方ではご遺族への説明も必要です。この辺りは、どう切り離しつつも、対応していけばいいのでしょうか。 武田 今回の制度は、「学習志向型」の制度なので、ご遺族に説明をするかどうかは、必ずしも問われていないと捉えています。もちろん、ご遺族には説明しますが、調査報告書を手渡して、「このような経過を辿り、この結果になった」と説明するよりも、「これからこのようにして、医療を変えていきます」と伝えるのが、趣旨だと考えています。 ただ、そうとは言え、ご遺族は「本当の原因が知りたい」と言われるわけです。そうしたご遺族に対し、今のような答え方では、多分通らないでしょう。ここに、制度本来の趣旨と、事故に遭われた方への思いやりをどうするかという問題があります。これは、ガイドラインで書くような話ではなく、患者・ご遺族とのリスクコミュニケーションの中で解決していくべき問題。調査報告書を渡しても、納得しない人もいるわけです。医療メディエータの関与も必要かもしれません。 ご遺族...