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「たらい回し報道で喪失感」、コウノドリの荻田氏◆Vol.2

インタビュー 2015年12月16日 (水)  聞き手・まとめ:高橋直純(m3.com編集部)

――産科医療では、「妊婦のたらい回し」「搬送拒否」といった言葉で報道された過去があります。当時はどのような影響がありましたか。 もちろん影響はありました。来てくれる妊婦や患者がどう思うかというのもありますが、一番は同業者で心が折れるやつがすごく多くて、「ここまで一生懸命やっているのにこういう評価をされるのは耐えられない」と言っている人は多かった。自分の手技や方針が上手くいかなかったら、どうしようと思い怖くなってしまう。そこに報道の影響が加わるとダメージが大きくなる。僕ら医師もピュアというか子供が多いので、報道イコール世論と思ってしまう。患者とも本来なら同じ目線で話ができるのに、報道が出た後は目が合わなくなってしまいます。そういう意味では、報道が出るたびに大きな喪失感を感じていました。 ――10月に出版した『嫁ハンをいたわってやりたいダンナのための妊娠出産読本』では、最後の一章を使って、大阪の産科医療の現状や周産期医療に対する考え方を説明しています。 りんくう総合医療センターの荻田和秀氏 漫画でも一貫して言ってもらっているが、僕らは神様でも、スーパードクターでもなく普通の人間。人間同士で...