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県立病院のトップ、「赤字垂れ流し」に奮発◆Vol.26

スペシャル企画 2015年12月26日 (土)  橋本佳子(m3.com編集長)

――2002年4月、定年退官とともに宮城県病院事業管理者、宮城県立がんセンター総長に就任した。 最初の2年間だけ、がんセンター総長も兼務することを条件に、宮城県病院事業管理者をお引き受けしました。管理者という立場だけで、県庁の部屋にいたのではダメで、現場を知っておくことが必要と考えたからです。がんセンターには週2回程度、行っていました。 法人化前の自治体立病院の場合、地方公営企業法の「一部適用」と「全部適用」があり、宮城県の場合、「全部適用」でした。開設者である知事の権限を、全て病院事業管理者に委譲する。その代わりに、責任も取ってもらうという形です。「一部適用」では無責任体制になり、誰も経営のことを考えなくなり、「全部適用」に変え、経営ができる人を呼ぶ動きが、全国的に出ていました。宮城県でも、私が事業管理者に就任する2年前から「全部適用」になっていました。 ただ、私の前任者は、医療関係ではなく、県の土木関係の部長などを務めていた方で、正直、病院の改革は進んでいなかったのです。しかも、かなりの権限を委譲されてはいましたが、全てではなかった。 予算を調整する権限と、条例を提案する権限を持っ...