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定年間際の教授、院長就任依頼が来たら?◆Vol.27

スペシャル企画 2015年12月27日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

――2002年に宮城県病院事業管理者に就任した久道氏の改革は続く。 病院の名前も変えました。がんセンター以外は、精神医療の病院は「県立名取病院」、循環器と呼吸器がメーンの病院は「県立瀬峰病院」と、それぞれ地名が付いており、職員自身すら病院のミッションを実感できないでいた。 県立瀬峰病院は、県内では東北大学に次いで、心臓外科手術の件数が多く、呼吸器でも県内の結核の中核を担っていたのに、名が体を表しておらず、その専門性が伝わらない。知事のところに行き、「看板を交換する費用くらいはかかるけれど、それ以外は予算を必要としないから名前を変えさせてくれ」と直談判しました。県立瀬峰病院は「県立循環器・呼吸器病センター」、県立名取病院は「県立精神医療センター」にそれぞれ変えました。 県立瀬峰病院は、本当に赤字続きで、こどもの心のケアをする病院に変える話などもあった。医師たちも、「あそこにいても、ダメじゃないか」となり、職員の間に不安もあったのですが、名前を変えた翌年には黒字化したのです。経費削減などはほとんどしていません。 のびしろはあったので、モチベーションを高めることで、経営改善につながったのです...