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「パブリッシュ・オア・ぺリッシュ症候群」◆Vol.28

スペシャル企画 2015年12月28日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

――日本医学会の主な仕事は、さまざまな医学と社会的な問題に対して声明を出したり、ガイドラインをまとめたりすることだった。 「オーサーシップ」のルーズさを問題視(写真:伊藤有宏) 声明等は、評議会や幹事会を招集し議論してまとめるのではなく、私の副会長時代は、ほとんどのたたき台を高久史麿会長が作り、各副会長にメールし、「これでいいか」「ここを直した方がいい」などとやり取りしてまとめていました。我々としては、高久会長のサポートをしていた気持ちはありますが、基本は高久先生の提案です。 最近では、日本人間ドック学会の「新たな健診の基本検査の基準範囲」、バルサルタンの論文不正問題についての声明を出しています。利益相反委員会も、副会長として担当していました。 また日本医学会は、日本医師会の一組織なので、副会長には、医師会の「充て職」が回ってくるのです。「医学会副会長を委員とする」とあるわけです。例えば、医師年金委員会は、年金支給額や掛け金などを決定するのですが、実は副会長の最初の1年間は、宮城県病院事業管理者と兼務だったこともあり、委員会を欠席しました。1年目の終わり頃、この委員会に出ている宮城県の...