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禁煙治療、3割成功は高い?低い?

レポート 2015年12月17日 (木)  成相通子(m3.com編集部)

中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)が12月16日に開かれ、ニコチン依存症管理料の対象者拡大について議論した。厚生労働省は10月に、若年層の喫煙対策として、同管理料の要件緩和を提案したが、支払側が反対し同意が得られなかった(『たばこ対策、保険?自己責任?』を参照)。今回も支持する診療側と、禁煙指導そのものの効果を疑問視する支払側で意見は対立したが、算定要件の対象者拡大と併せて、算定できる施設の要件厳格化も検討することで一致した(資料は、厚労省のホームページ)。 禁煙治療は12週間の間に合計5回にわたって行うが、禁煙治療を受けた3471人を対象にした厚労省の調査(2009年度)では、治療終了9カ月後も禁煙継続していたのは、治療回数が5回以下の人も含めて全体の29.7%。5回の治療を完遂したのは35.5%で、このグループの禁煙継続率は49.1%だった。 この29.7%について、健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏は「7割も禁煙できていない。この7割はどこに行ったのか。無駄な医療費だと思う」と述べ、治療の効果は低いと評価。一方で診療側は、「非常に良い...