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薬剤師のためのワクチン入門

オピニオン 2015年12月18日 (金)  石塚稔(多摩大学 医療・介護ソリューション研究所 フェロー)

エボラ出血熱は2014年から2015年にかけて西アフリカで猛威をふるったが、そのワクチン開発も進みつつある。 エボラ出血熱ワクチンの開発競争 米メルクが一歩リード 2015年2月、エボラ出血熱に対する富士フイルムの「アビガン®錠200mg」の臨床試験(中間解析)で有効性が示唆されたことに続き、7月31日、米製薬大手メルクは、エボラ出血熱の予防にエボラ出血熱ワクチン『VSV-ZEBOV(EBOV)』が100%有効であることを発表した (7月31日付で英医学雑誌「ランセット」に掲載)。これはアフリカでWHOやノルウェー公衆衛生研究所、国境なき医師団(MSF)、ギニア政府などが進める臨床試験において、妊婦と18歳以下を対象外とする治験者に接触した医師らを調査した結果、ワクチンを接種したグループの発病数が「ゼロ」となった、というもの。 これまでも英GSK、米J&J、ベルギーのヤンセンファーマでエボラ出血熱ワクチンの開発競争が行われていたが、今回の結果で米メルクが一歩先んじたことになる。しかし、英製薬大手GSKも負けていない。欧州医薬品庁(EMA)は7月、世界初の乳幼児対象マラリアワクチン「モス...