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九大に入院、「さっちゃんはお医者さんになる」◆Vol.2

スペシャル企画 2016年1月5日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

――医師を目指すきっかけは、5歳の時に、麻疹から中耳炎になり、九大病院に入院した経験だ。 母からは、「掻いちゃ、ダメ」と言われていたけれど、麻疹で痒くて仕方がないから、耳を掻いたんだと思う。九大病院の耳鼻咽喉科に入院しました。その時の主治医が、安田先生。1945年の九大卒で、奇しくも私の恩師となる、井口潔先生(水田氏が入局した際の九大第二外科教授)と同級生でした。 戦後、1947年の時だから、抗生剤なんてない時代。両親は「中耳炎の手術をすると、脳膜炎になる」と思い込んでおり、「絶対手術しないで治してください」という願いを安田先生は、聞き入れてくださった。私が、「痛いよ!痛いよ!先生、大嫌い!」と悪態をついても、先生はやさしく、我慢強く、日に何度も、リパーゼガーゼを交換してくださった。それで幸い1カ月で治り、退院できました。「手術をしないで」という両親の思いを安田先生が受け止めてくださったことは、私が小児外科医となり、多くの患者さんの両親と接する時に、いつも心に残っていた。 「お医者さんって、楽しそうだな」と思ったんでしょうね。この入院を契機に、「さっちゃんは、大きくなったら、お医者さん...