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九大入学、最初に出血を見て「失神」◆Vol.5

スペシャル企画 2016年1月8日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

――1960年、子供の頃から憧れていた、九州大学医学部に入学した。ところが、入学後のオリエンテーションの初日、「失神」したという。 最初の日に、医学科や薬学科など、医療関係学科の学生が集まり、手術の動画を観た。確か胃がんの手術。開腹する際、サーと、メスで皮膚を切ると、血がジュワーって出てくる。あれが駄目だった。失神した私を連れ出してくれた小間使いさんが、「あんた、何科?」と聞くから、「医学科です」って言ったら、「辞めるなら、今のうち」って言われた。「誰がやめるか」って思ったけどね(笑)。今となっては、笑い話。 けれど、その後も卒業するまで、皮膚の切開で、血がジュワ、ジュワって出るのを見るのがダメだった。開腹して、臓器を見るのは何ともなかったけれど。教授とかは、「だから女子は駄目なんだ」と言いかねない。それが嫌だったから、「今日は何の動画?」「終わった?開腹したら、教えてね」とか、隣の人に聞いて、それから目を開けていた。もちろん、外科医になったら、自分でする!(笑)。何とも思わなくなった。 医学部5年(M3)のベッドサイドグループのクラスメート達と。(提供:水田氏) ――水田氏が九大医学...